具体的に、肝臓はどんな働きをしているのでしょうか。肝臓は体内の化学工場と呼ばれています。肝臓の働きは大きく3つに分かれていて、
『食べた物をエネルギーに変える働き』
『体に取り入れた物の解毒作用』
『いらないものを排泄する胆汁の生成』
に分けられます。具体的に説明していきましょう。
食べたものはそのままの形では栄養として体に吸収できないため、食べたものを分解して栄養として吸収することになります。
肝臓は、小腸で吸収された糖分、脂肪分をエネルギーに変えて貯蔵したり、たんぱく質、グリコーゲン、脂肪を合成、分解して蓄えて、必要なときにエネルギーとして使うために体内に送り出します。こうした代謝の際に作り出される熱は、体温を維持していくのに大切なものになります。
上記を詳しく説明しましょう。血液にはブドウ糖が80〜100mg/dlの一定量で含まれています。血糖と呼ばれていますが、多すぎるときは肝臓が多すぎるブドウ糖をグリコーゲンとして貯蔵し、少なくなるとグリコーゲンからブドウ糖に戻して血液の中に出してあげます。物を食べたあとには、小腸から大量のブドウ糖が肝臓に送られてきて、そのまま肝臓に貯蔵され、空腹になると放出されます。
血漿(けっしょう)の中にはたんぱく質が約7%含まれています。このたんぱく質には種類があり、アルブミン、フィブリノーゲン、α-グルカン、β-グロブリン、γ-グロブリンがあり、肝臓で合成されてから、血液の中に出されます。肝臓では、血漿の中にあるコレステロールも生成しています。
肝臓の解毒作用というのは、体内に入った薬やアルコールなどを一度肝臓に入れ、毒物を分解し、無毒化にする作用のことです。肝臓の元気がなくなり、肝機能が低下するとアルコールの解毒作用も低下してしまいます。こうなると、アルコールに含まれるアセトアルデヒドという有害物質が分解されずに残ってしまい、二日酔いの原因になります。
また、体内で作られた有害物質、例えば魚をたくさん食べたときに、余ったたんぱく質が分解されるとアンモニアが生成されます。このアンモニアは肝臓で尿素に変えられて排出するのです。
お酒を飲むと、その吸収された成分は肝臓に送られます。肝臓に運ばれたアルコールは、アセトアルデヒドと水素に分けられ、更にアセトアルデヒドを水と炭酸ガスに分解します。酔っ払うということは、血液中にアセトアルデヒドが増えることによって起こる状態です。
アセトアルデヒドを分解する酵素が少ないと、お酒が弱いということになります。飲む練習をしてお酒に強くなるというものではありません。お酒を飲むと、肝臓が頑張って分解作業を行います。
飲みすぎると、肝臓の処置能力を超えてしまいますので、肝臓内に中性脂肪がたまって脂肪肝になってしまいます。そうなると、益々肝臓の機能が衰えてしまいますので、休肝日を作ることも大切です。
十二指腸で脂肪の消化をするときに活躍するのが胆汁ですが、この胆汁を生成しているのも肝臓です。肝臓で不要なものを使って胆汁が作られ、一度胆嚢に貯蔵されて濃縮され、食べたものの脂肪の量に合わせて十二指腸に放出されます。
胆汁の成分は水分、胆汁酸、コレステロール、リン脂質、ビリルビンで構成され、主成分の胆汁酸は、脂肪性ビタミンや脂肪の吸収を助けます。こうした機能を持っていますので、肝機能が低下するとコレステロールがたまって胆石ができやすくなります。
また、肝機能の低下によって、胆汁が体の外に排出されなくなると、血管に胆汁があふれることになります。胆汁の色はビリルビンによって、黄色い色をしていますので、溢れた胆汁の色素が白目や皮膚を黄色くしてしまいます。これが黄疸です。